学習塾
1.学習塾の対象となるサービス、商品
今回、当ページで紹介する解約方法について、どのような内容の学習塾でも該当するというわけではなく、法律によって対象となる内容が決められています。
対象となる学習塾は、以下の内容のものとされています。
「幼稚園、大学を除いた各種学校の入学試験に備えるため、又は学校教育の補修のための学力の教授で、事業者の用意する場所で行われるもの。」
よって、主に対象となる家庭教師とは…
小学生、中学生、高校生への入試対策の学習塾、又は学力アップのための家庭教師
2.学習塾の解約方法
クーリングオフ
学習塾の場合、法律で定める特定継続的役務の一つに該当し、クーリングオフの対象となっています。
ただし、クーリングオフができる契約として、次の条件を満たす必要があります。
・契約期間が2ヶ月を超える継続的サービスであること
・支払金額が5万円を超えるもの
契約書面を受け取った日から8日以内に、クーリングオフをする旨の通知を事業者に送ります。
「事業者に会った日」「契約書にサインした日」「商品を受け取った日」からではないので、注意してください。
クーリングオフを行うには理由は必要なく、事業者の承諾も必要ありません。
クーリングオフを行えば、消費者は一切の費用を負担する必要がないので、既にサービスを受けている場合でも、そのサービス料を支払う必要はありません。
また、学習塾の関連商品として商品を購入した場合、以下の物に限りクーリングオフが認められています。
書籍、学習教材(カセット、CD、ビデオ、DVD等)、FAX、テレビ電話
クレジット契約をしている場合は、クレジット会社に対しても同様にクーリングオフをする旨の通知を送ります。
なお、クーリングオフやクレジット会社に送る通知は、後のトラブルを防ぐためにも内容証明と配達証明を利用して行うことをお勧めします。
※4月1日に契約書面を受け取った場合は、4月8日発送の通知までが有効です。
※クーリングオフの可否等不安がある場合は、当事務所にご相談ください。
中途解約
学習塾では、クーリングオフの期間を経過しても、法律により契約を中途解約することができます。
中途解約するための理由は必要ありません。
悪質な事業者は「中途解約はできない」と言う場合もありますが、中途解約は自分の都合ですることができます。
その際、事業者が消費者に請求できる損害賠償(解約金等)の金額は、次のように決まっています。
中途解約をするとき… | 損害賠償の限度額 |
サービスの提供を受けていない場合 | 1万1千円 |
既にサービスの提供を受けている場合 | a.2万円 b.1ヶ月分の授業料 aとbでいずれか低い金額 |
契約残額 = 「サービスの総額」 − 「サービスの提供を受けた金額」
※サービスの提供を受けている場合、サービスの提供を受けた部分の金額については支払う必要があります。
中途解約では、解約時の精算が最も争いがある部分です。
悪質な事業者では、法外な解約金を請求することもありますので、不安に思った場合は事業者に料金の内容を問い合わせるなどしてください。
クレジット契約をして支払いをしていれば、事業者とは別にクレジット会社に対して手続きをしなければ、月々の支払を止めることはできません。
クレジット会社に対しては、「抗弁の接続」をする旨を通知する必要があります。
これにより、クレジット会社に対する支払いが、問題が解決されるまでの間、一時的に中断できるようになります。
詳しくは当サイト内の「クレジット契約の基礎知識」を参考にしてください。
中途解約を妨害してくるような場合や、法外な解約金を請求してくる場合は、当事務所にご相談ください。