マルチ商法

マルチ商法(連鎖取引)

  1. マルチ商法(連鎖取引)の特徴
  2. マルチ商法(連鎖取引)の解約方法

1.マルチ商法(連鎖取引)の特徴

マルチ商法とは、人から人へと組織への勧誘を行い、商品を販売しすることでピラミッド状に人数を増やしていき、その権利収入を得ることを目的とした商法です。

「マルチ」という以外にも「MLM(マルチ・レベル・マーケティング」、「NB(ネットワーク・ビジネス)」ということもありますが、実態は何ら代わりません。

収入は、自分が勧誘した人が組織に加入し商品を購入してもらうことで、より多くの権利収入を手にすることができます。

多くの場合、最初に自分の知人や近所の人等、身近な人を勧誘してきます。

勧誘の際には「サイドビジネスを一緒にやろう」「とても得になる話がある」というような言葉で、組織のメンバーに引き合わせたり、集会に連れて行くなどします。

業者によっては組織に加入する際に「製品を知ってもらうため」「入会のために必要」というようなことを言って、高額な商品を売りつけてくる場合もあります。

マルチ商法で利用される商品は様々ですが、主に化粧品や健康食品、台所用品などがあります。

2.マルチ商法(連鎖取引)の解約方法

クーリングオフ

マルチ商法の場合、その多くが法律で定める連鎖販売取引に該当し、クーリングオフの対象となっています。

契約書面を受け取った日から20日以内に、クーリングオフをする旨の通知を事業者に送ります。

「事業者に会った日」「契約書にサインした日」「商品を受け取った日」からではないので、注意してください。

クーリングオフを行うには理由は必要なく、事業者の承諾も必要ありません。

クーリングオフを行えば、消費者は一切の費用を負担する必要がないので、手元に商品がある場合は着払い(事業者の負担)で返品します。

また、解約料や登録情報抹消手続き料といった料金も、当然支払う必要はありません。

ただし、化粧品等の指定消耗品については、開封したり消耗してしてしまうとクーリングオフができないこともあります。

クレジット契約をしている場合は、クレジット会社に対しても同様にクーリングオフをする旨の通知を送ります。

なお、クーリングオフやクレジット会社に送る通知は、後のトラブルを防ぐためにも内容証明と配達証明を利用して行うことをお勧めします。

※4月1日に契約書面を受け取った場合は、4月20日発送の通知までが有効です。

※クーリングオフの可否について不安な場合は当事務所にご相談ください。

中途解約

マルチ商法では平成16年11月11日以降に契約した場合、その連鎖販売契約を中途解約することができます。

その際、事業者が消費者に請求できる損害賠償の金額は次のように決まっています。

中途解約をするとき… 損害賠償の限度額
商品を受け取っていない
又はサービスの提供を受けていない場合
契約を締結する際に通常必要となる費用
商品を受け取っている場合 契約を締結する際に通常必要となる費用 + 受け取った商品で中途解約されなかった商品の金額 + 提供された金品等
サービスの提供を受けている場合 契約を締結する際に通常必要となる費用 + 提供されたサービスの金額

また、連鎖販売契約を中途解約した人で、既に商品の販売を行っている人は、以下の条件を全て満たす場合に限って商品販売契約も中途解約することができます。

  1. 組織に入会して1年を経過していないこと
  2. 商品を受け取っていない、又は受け取った日から90日以内であること
  3. 商品を他人等へ再販売していないこと
  4. 商品を使用、又は消費していないこと
  5. 自らの責任で商品を無くしたり、傷つけていないこと

その際の事業者が消費者に対して請求できる損害賠償(解約金等)の上限の金額は次のように決まっています。

中途解約をするとき… 損害賠償の限度額
商品を受け取っていない 商品の販売価格の10分の1に相当する額
商品を返品できる場合 商品の販売価格の10分の1に相当する額
商品を返品できない場合 商品の販売価格に相当する額

クレジット契約をして支払いをしていれば、事業者とは別にクレジット会社に対して手続きをしなければ、月々の支払を止めることはできません。

クレジット会社に対しては、「抗弁の接続」をする旨を通知する必要があります。

これにより、クレジット会社に対する支払いが、問題が解決されるまでの間、一時的に中断できるようになります。

詳しくは当サイト内の「クレジット契約の基礎知識」を参考にしてください。