クレジット契約の基礎知識

クレジット契約の基礎知識

  1. クレジット契約とは?
  2. クレジット契約の対抗策
  3. 抗弁の接続ができない場合
  4. 抗弁の接続のやり方

1.クレジット契約とは?

一般的に悪徳商法と契約する際には、契約金額が大きく、クレジット契約をするケースも多く見られます。

悪徳商法に用いられるクレジット契約は、契約をすると以下のような関係が生じます。

a.販売会社と購入者(売買契約)
→ 事業者は消費者に対して商品を渡す義務が発生
b.クレジット会社から販売会社へ(加盟店契約)
→ クレジット会社は販売会社に対して、購入者の購入代金を一括して全額立て替えて払いをする
c.購入者からクレジット会社へ(立替払契約)
→ 購入者はクレジット会社に対して、月々の分割払いの金額と手数料を支払う

上記のとおり、購入者と販売会社の間での「売買契約」と、購入者とクレジット会社の間での「立替払契約」は別の契約です。

よって、商品の契約と同時にクレジット契約をしているような場合は、クレジット契約についても対策を講じる必要があります。

2.クレジット契約の対抗策

クレジット契約の対抗策、それは「接続抗弁」です。

接続の抗弁とは、クレジット契約の対象となる事業者と消費者との売買契約において、法律で認められた事由が発生したときは、クレジット契約の支払いを一時的に中止することができるというものです。

「法律で認められた事由」とは、以下のようなものがあります。

  • 商品の引き渡しがない
  • 見本・カタログなどによって提示された商品と、引き渡された商品とが違う
  • 商品に明らかな欠陥、又は隠れた欠陥があること
  • 商品の引渡しが遅れたため、商品購入の目的が達せられなかったこと
  • 商品の販売の条件となっているサービスの提供がないこと
  • クーリングオフが行使できるとき
  • 中途解約を行うとき
  • 売買契約が取消し、無効のようなとき

あくまで「一時的に中止する」だけですので、今後の支払いが全て免除されるというものではなく、既にクレジット会社に支払われた金銭が返還されることもありません。

3.抗弁の接続ができない場合

抗弁の接続は、いつでも認められるというものではありません。

クレジット契約で、次のような場合は認められません。

  • 法律に定められた事由が存在しない契約の時(2.クレジット契約の対抗策を参照)
  • 売買契約が業務上(仕事)の契約であるとき
  • 支払総額が4万円未満(リボルビング方式の場合3万8千円未満)であるとき
  • 支払い期間が2ヶ月未満であるとき
  • 支払い回数が3回未満の分割払いであるとき

4.抗弁の接続のやり方

抗弁の接続を行うには、クレジット会社に「抗弁の接続を行う」旨の通知を行います。

口頭でも基本的に問題ないのですが、後々のトラブルを防止するためにも内容証明を利用します。

ただ、現実としてクレジット会社によっては通知を出しても「認められない」「関係ない」といって、支払いを迫る会社もあります。

よって、クレジット代金を引き落とされる口座についての対策も必要です。

ただし「抗弁の接続」について対抗要件の判断や手続きの手順を誤ると、単に支払いを拒絶しているというだけの状態になります。

そうなると逆に支払いの督促等を受ける可能性はありますので、この点は十分に気をつけてください。

ご自信で判断ができないような場合や不安に感じる場合は、当事務所にご相談ください。