中途解約の基礎知識

中途解約の基礎知識

  1. 中途解約とは?
  2. 中途解約の効果
  3. 法律で決められた中途解約一覧表
  4. 中途解約の具体例

1.中途解約とは?

中途解約とは、エステや英会話教室といった継続的なサービスの提供を受ける契約をした場合、サービスを受けている途中で契約を解除することです。

例えば、英会話教室に通う契約をしたときに、「60回受講コース」という契約内容で、10回分の授業は受けたけど残りの50回は受けずに解約する、というような場合が該当します。

継続的サービスの提供」というのも様々にありますが、特に「エステ」「語学教室」「家庭教師」「学習塾」「パソコン教室」「結婚相手紹介サービス」については、法律によって中途解約の際の解約金の上限等が定められています。

詳細な内容については、当ページ内の「3.法律で決められた中途解約一覧表」を参考にしてください。

上記以外の継続的な契約については、基本的に事業者と取り交わした契約の内容に基づきます。

まずは契約内容をよく確認してください。場合によっては、「消費者が一方的に不利になる取り決め」(不当に高額な解約金の定め等)をしている場合もあります。

その場合、契約をしていても「消費者が一方的に不利になる取り決め」の部分は、無効になります。

内容によっては判断が難しいと思いますので、その際は当事務所にご相談ください。

2.中途解約の効果

中途解約を行うと、基本的に契約を結んでから解約をするまでに受けたサービス分の料金と解約金を事業者(販売者)に支払い、サービスを受けてない部分については支払う必要がなくなります。

事業者に支払う金額=既にサービスを受けた料金+解約金

中途解約をする前に、先払いなどでサービスを受けてない部分の支払いを済ませてしまっている場合は、事業者に対してサービスを受けていない部分の料金を返還するように請求することができます。

返還請求できる金額=支払済みの金額−既にサービスを受けた料金−解約金

3.法律で決められた中途解約一覧表

ここでは中途解約について、法律(特定商取引法)で決められたサービスごとの解約金の上限を一覧表にしてみました。

【上限】ですので、事業者が消費者に対してこれ以上の解約金を請求することは当然違法行為になります。

ただし、既にサービスを受けている場合は、解約金とは別にサービスを受けた部分についての料金は支払う必要があります。

サービス
の種類
サービスを
受ける前
サービスを
受けた後
エステ 2万円 a.2万円
b.契約残額の10%に相当する額
aとbでいずれか低い金額
語学教室 1万5千円 a.5万円
b.契約残額の20%に相当する額
aとbでいずれか低い金額
家庭教師 2万円 a.5万円
b.1ヶ月分の授業料
aとbでいずれか低い金額
学習塾 1万1千円 a.2万円
b.1ヶ月分の授業料
aとbでいずれか低い金額
パソコン教室 1万5千円 a.5万円
b.契約残額の20%に相当する額
aとbでいずれか低い金額
結婚相手紹介サービス 3万円 a.2万円
b.契約残額の20%に相当する額
aとbでいずれか低い金額

4.中途解約の具体例

エステの契約で「全50回を50万円(1回1万円)」という契約をした場合

・サービスの提供を受ける前に中途解約するとき
→ 支払う金銭は解約金として最大2万円

・20回のサービスと受けた後に中途解約するとき
支払う金銭=サービスを受けた金額(1万円×20回)+解約金
契約残額の10%=(50万円−20万円)×0.1=3万円

→ 契約残額(3万円)>法定の解約金(2万円)
∴ 支払う金銭=20万円+解約金2万円=最大22万円

ただ実際には、いざ中途解約を申し出ても事業者が素直に応じなかったり、法外な解約金等を請求してくることもあります。

自分で中途解約ができるか不安な場合や、事業者から示された金額等で納得できないような場合には、当事務所にご相談ください。